今回は、2024年に衝撃のデビューを果たし、瞬く間に日本の音楽シーンを席巻したNumber_iのおすすめ曲を紹介していきます。彼らの楽曲は、従来のアイドルの概念を覆す斬新なアプローチと、世界を視野に入れた野心的な展開が特徴です。
デビュー曲「GOAT」から見える野望
Number_iは2024年1月1日、新年の幕開けとともにデビュー曲「GOAT」をリリースしました。「Greatest Of All Time」を意味するこのタイトルには、彼らの大きな野望が込められています。全編ラップで構成された楽曲は、ODD Foot WorksのPecor、FIVE NEW OLDのSHUN、DATSのMONJOEという実力派クリエイター陣が手がけ、わずか2分38秒という短い尺ながら、聴く者の心を鷲掴みにする強烈なインパクトを放ちます。
「何回だって立ち上がって」「俺らについてくりゃ見せてやる New World」といった力強いフレーズの数々は、単なる威勢の良さではなく、世界を視野に入れた彼らの覚悟を表現しています。特筆すべきは、メンバーそれぞれが異なるキャラクターを演じ分けたボーカルワーク。この個性的なアプローチにより、従来のグループとは一線を画す斬新な表現を実現しています。MVは公開からわずか3日で1000万回再生を突破し、世界的な注目を集めることとなりました。
「君の前で夢叶える Me」という歌詞には、ファンと共に歩んでいくという決意が込められており、強気な表現の中にある誠実さが印象的です。目まぐるしく変化するビートとラップは、彼らの多彩な才能を存分に引き出し、新時代のアーティストとしての存在感を強く打ち出しています。
「時代を背負う」という歌詞に込められた決意は、単なる野心ではなく、彼らの真摯な覚悟を感じさせます。デビュー曲としては異例の攻めた楽曲選択ですが、これこそが彼らの真骨頂なのでしょう。よくあるデビュー曲のような無難な選択を避け、自分たちの信じる道を突き進む姿勢に心打たれます。
繊細な感情表現「Blow Your Cover」
3月にリリースされた2ndデジタルシングル「Blow Your Cover」は、デビュー曲とは打って変わって大人の恋愛を描いた楽曲です。Mila Berryが手がけた歌詞は、切なさと情熱を絶妙なバランスで表現し、Leo Andersonの洗練された楽曲アレンジメントが心に響きます。
「もうちょっとですべて溶けてしまうだろう」という歌詞が象徴するように、恋愛感情の高まりを繊細に描写しています。「Baby now Blow your cover」という繰り返されるフレーズには、相手の本心を知りたいという切実な願いが込められており、誰もが経験したことのある恋の機微を見事に表現しています。
MVでは「Blue Girls」と呼ばれる青い衣装の女性たちが登場し、曲のテーマである「素性を明かす」という要素を視覚的に表現。田中裕介監督とELEVENPLAYのSAYAによる演出は、楽曲の世界観を見事に具現化しています。通常バージョンの他に「Sped up」バージョンとアカペラバージョンが収録されており、それぞれで異なる魅力を楽しむことができます。
月明かりの下での親密な時間を描写した歌詞は、まるで一編の詩のよう。Number_iの新たな魅力を引き出した秀作です。デビュー曲で見せた攻撃的な一面とは異なる繊細さは、彼らの表現力の豊かさを証明しています。この曲がきっかけで、新たなファン層の開拓にも成功したのではないでしょうか。
日本文化の再解釈「BON」
5月リリースの「BON」は、和とヒップホップの融合という斬新なアプローチで話題を呼びました。「盆栽」をテーマに据え、日本の伝統楽器を取り入れた楽曲は、平野紫耀の手腕が光ります。2日間で1000万回再生を記録し、現在は2700万回を超える再生回数を誇る人気曲となっています。
低音の地声と高速ラップの組み合わせは、和の要素との相乗効果を生み、独特の世界観を作り上げることに成功しています。一見強気に聞こえる歌詞の裏には、ファンへの深い愛情と感謝が隠されており、日本語の言葉遊びや比喩を巧みに活用することで、重層的な意味を持つ作品となっています。
日本のヒップホップシーンに新たな可能性を示した意欲作。グローバルな視点を持ちながら、自国の文化をしっかりと見つめ直している点が素晴らしいです。伝統と革新の融合は、ともすれば表面的になりがちですが、本作は深いところでしっかりと両者を結びつけることに成功しています。
最新作「INZM」で示す未来への展望
8月リリースの「INZM」は、tukiが作詞作曲を手がけ、神宮寺勇太がプロデュースを務めた意欲作です。「稲妻」を表すタイトルには、ファンに栄養を与える存在でありたいという願いが込められています。
20世紀末を思わせるイントロと重たいベース音が特徴的な本作は、「3」という数字を効果的に用いることで、メンバー3人の結束を表現しています。「3人で肩組んだ努力の成果」「この3人で座る王座」といった歌詞は、グループとしての一体感を強く打ち出しています。
「センスと才能だけじゃ3年待たず転落」という歌詞からは、彼らの謙虚さと努力への姿勢が伝わってきます。サビの中毒性の高いフレーズは、聴く者の心に稲妻のように突き刺さり、強烈な印象を残します。「次のすげーステージでぶちかまします∞」という歌詞には、さらなる高みを目指す彼らの野心と、ファンへの約束が込められています。
デビューから1年以内とは思えない完成度の高さ。Number_iの進化は留まることを知りません。特筆すべきは、彼らの野心的な挑戦が決して独りよがりにならず、常にファンとの関係性を意識している点です。「稲妻」というモチーフの選択も、インパクトと意味の両面で見事な成功を収めています。
心に寄り添う「Be on Your Side」
3月18日にリリースされた「Be on Your Side」は、to HEROesとして発表された楽曲です。Misako Sakazume、uno blaqlo、Slack Ratという実力派クリエイター陣が手がけた本作は、支援と寄り添いをテーマにした心温まる楽曲に仕上がっています。
「心が揺れて涙の音で朝が来る」という印象的な歌詞は、困難に直面しながらも新たな一歩を踏み出す勇気を描写しています。「背中ごしのびてゆく影」は時の流れと共に変化していく関係性を象徴し、「小さな歩幅でその音はずっと続いていく」というフレーズからは、着実に前進していこうとする強い意志が伝わってきます。
サビで繰り返される「Just be on your side」(ただ君のそばにいたい)という言葉には、直接的な援助ではなく、そばにいて支え続けるという深い愛情が込められています。東京ドームでの披露は、アーティストとファンの絆を体現する感動的な瞬間となりました。夢や奇跡、涙や影といったキーワードを効果的に用いることで、理想と現実の間で揺れ動く心情を見事に表現しています。
応援歌の域を超えた、普遍的なメッセージ性を持つ楽曲。彼らの優しさと強さが見事に表現されています。特に印象的なのは、支援する側の謙虚さと誠実さが随所に垣間見える点です。単なる励ましではなく、共に歩む覚悟を示した珠玉の一曲と言えるでしょう。
最後に
このように、Number_iの楽曲は、従来のアイドルグループの枠を超えた多様な表現と、世界を視野に入れた野心的なアプローチが特徴となっています。デビューからわずか1年足らずで、これほどまでに多彩な魅力を示せるグループは稀有な存在と言えるでしょう。今後の彼らの活動からも目が離せません。
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